【結婚の形】もしも別居婚を提案されたらどうする?手続きは?Q&A
単身赴任とも別居とも違う「別居婚」。そういう結婚の形があるとは知っていても、自分は選択しないだろうなと思っている人が大半ではないでしょうか。
ですが、結婚が当たり前だった時代から自由に選択してもいいという流れがやってきたように、同性婚が認められつつあるように、別居婚を選択する夫婦は今後もっと増えていくかもしれません。
ここではメリットやデメリット、手続きなど、別居婚についてのQ&Aをまとめました。あなたにはその気がなくとも、パートナーに別居婚を提案される日がこないとも限りませんから知っておいて損はありません。
目次
Q1.どんな人が別居婚を選択しているのですか?
「生涯のパートナーとして選んでいるのに別々に暮らすなんて」「夫婦仲が悪いわけではないのに別居婚を選ぶ意味が分からない・・・」と、別居婚を選ぶ人の気持ち・考え方が分からない人は大勢います。
別居婚を実現して生活している夫婦は、どんな理由があって選択しているのでしょうか。
お互いの生活スタイルを維持していきたいから
日本では、結婚の平均年齢がどんどん上がってきていますから、中には40歳を超えてから結婚を意識するカップルもいます。
仮に大学卒業後の23歳から45歳までは独身一人暮らしで生活してきた場合、一人暮らし歴は20年を超えるということに。つまり一人暮らしで培ってきた自分の生活スタイルが確立されているということです。
これまで通り一人暮らしを基盤として考えるカップルが別居婚を選ぶというケースです。
仕事を辞めたくない、家庭の事情があるから
お互いが定年まで続けたい仕事を持っていると、結婚が決まっても遠方であるために一緒に住めないカップルもいます。もしくは家族の介護などで一緒には住めない事情を抱えている場合もあります。
離婚歴があり子どもがいるから
どちらかが再婚、もしくはどちらも再婚という場合、前のパートナーとの間に子どもがいるケースは珍しくありません。子どもがまだ小さいうちは一緒に暮らすことを前提に考えるものですが、中学生・高校生と再婚を受け入れるには難しい年齢であれば、子どもが自立するまでは別居婚を選ぶこともあります。
少し前であれば一緒に住みたくても住めない、生涯のパートナーだとは思っているけど別々に生活したいといった事情を抱えていると、結婚は諦めざるを得ないというのが一般的な考え方でした。
別居婚という存在が救いとなっているカップルも少なからずいるはずですから、もっと広く受け入れてもらいたい考え方ですよね。
Q2.別居婚のメリットとデメリットは何ですか?
・独身時代と同じ生活スタイルでいられる
・経済的・精神的に自立した生活ができる
・仕事中心・趣味中心の生活を送ることができる
・夫婦というより恋人のような新鮮な関係を築ける
・一人になる時間が長いので物事を冷静に判断できる
・一緒にいる時間が少ない
・浮気やすれ違いが起こる可能性が高くなる
・別々で暮らすので生活費の負担が大きくなる
別居婚は良くも悪くも独身時代とはあまり変わらない生活を送ることになります。それを魅力的だとお互いに感じるなら上手くいくのではないでしょうか。
Q3.子どもを授かっても別居婚ってできるものですか?
子どもを授かってからも別居婚を続けること自体は可能ですが、妊娠をきっかけに別居婚を解消する夫婦は多いようです。
妊娠中は精神的にも身体的にも不安定な時期になりますし、子どもが生まれてからも子育ては大変ですから。子どもにとってもお父さんとお母さんがすぐそばにいてくれる環境は安心できると思います。
Q4.もしも恋人に別居婚を提案されたらどうしたらいいですか?
別居婚を提案されたとき、この選択肢を1%も考えていなかったらかなり動揺すると思います。ですが、頭ごなしに否定せずにまずは相手の考えをじっくり聞いてみてください。
もしも別居婚を提案されたら次のことは最低限話し合いましょう。
・別居婚の期間
・お互いの住む場所
・生活費
・会う頻度
・休日の過ごし方
・子どもができたらどうするか
別居婚は浮気やすれ違いが起こりやすいことがデメリットとして挙げられますから、別居婚をスタートさせる前に問題点や疑問点は納得できるまで話し合うこと、ルールを決めておくことが大切です。
別居婚は断固反対!と思っていたとしても、新しい考え方に触れられる良い機会ですから話を聞く価値はあるのではないでしょうか。「同じマンション内に住むならいいかも」「期間限定ならやってみてもいいかも」「週末は一緒に過ごせるならいいかも」など、話し合っていく中で妥協点が見えてくるかもしれません。
Q5.別居婚反対の親をどう説得したらいいですか?
結婚は2人だけの問題ではありません。当人たちが別居婚の実現に向けて動こうとする中で周囲が反対する場合もあります。大人ですから親の反対があっても結婚することは可能ですが、やはり祝福されたいと思うのが自然な気持ちですよね。
親御さんを説得するには、別居婚の理由と期間は特に丁寧に伝えるようにしてください。もし強く反対されるようであれば、無理に結婚という形は取らずに納得してもらうまで根気よく話し合っていくという道もあります。
1回の話し合いで理解してもらおうとは思うのではなく、時間をかけるつもりで説得に挑みましょう。
Q6.別居婚って何か特別な手続きが必要ですか?
お互いの気持ちが固まり、周囲の理解も得られたら、いよいよ別居婚に向けて具体的な手続きに進みます。ですが、住所が別であるため、通常の手続きとは異なる部分もあるので確認しておきましょう。
まず婚姻届を提出する必要があります。これにより、法的に夫婦として認められ、名字を変更することができます。ここで決めなくてはいけないことは、どちらの姓を名乗るのかということと、本籍をどこにするのかという点。これは別居婚に限らず皆が考えることです。
本籍は日本国内であれば自由に決められますが、婚姻届は本籍のある市町村役場に提出しなくてはいけないので、どちらかの住まいを本籍にしておいたほうが今後の手続きは楽になります。
次は住民票について。別居婚の場合、婚姻届よりも住民票をどうしたらいいの?という疑問が多いと思います。
婚姻届で得られるのは夫婦の新しい戸籍です。そして住民票は現住所がどこであるかを明らかにする書類ですから、この2つの書類は別物であると考えてください。
たとえば、今の住所のまま別居婚をスタートした場合は、住所は変わっていないのですから婚姻届を出すだけで手続きは完了になります。
あとは、姓が変わったことで銀行口座やクレジットカード、パスポート、運転免許証などの変更手続きが必要です。この辺も一般的な手続きですね。
別居婚だからといって、結婚の手続きがややこしくなるということはありませんので安心してください。
Q7.別居婚は違法だと聞いたのですが本当ですか?
民法752条の中には、夫婦は「同居義務「協力義務」「扶助義務」があるとされています。別居婚はこの中の同居義務に違反しているのでは?という意見があります。
これについては、厳密にいえば同居義務を果たしてはいないのですが、だからといって罰せられるということもありません。お互いが同意したうえで別居という形を取っているのですから気にしなくて大丈夫です。
ただし、相手が一緒に住むことを望んでいるにもかかわらず、別居のままという場合は義務違反ということになりますので、離婚する際に別居を主張した側は不利になってしまう場合があります。
まとめ
別居婚についてよくある疑問をまとめてみましたが、いかがでしたか。ちょっといいかもと思えた人もいれば、やっぱり自分にはあり得ないなと感じた人もいるでしょう。
大切なのは別居婚は良いか悪いかを論じるのではなく、さまざまな結婚観があることを知り、受け入れることではないでしょうか(受け入れるというのはあなたが別居婚に応じるべきだということではなく、こんな考え方の人もいるんだなという意味での受け入れです)。
別居をベースにして週末は一緒に過ごす週末婚という方法もありますし、仕事が落ち着くまでの間は期間限定で別居婚にするという方法もあります。2人のライフスタイルや考え方に合ったベストな結婚生活を模索してみましょう。
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